ワキガ対策【一般・市販品】

ワキガの臭い

ワキガの臭い

ワキガの臭い
ワキガという病名は多くの人に共通の認識ですが、その臭いは人によって異なります。

脇周辺は特に汗をかきやすい部位であることから、ワキガ以外の臭いをワキガと認識されたり、 人によってワキガの臭いと他の臭い、汗や体臭や香水が混じってしまいワキガかどうか正しく判断ができないこともあります。

また、ワキガの体臭はアポクリン腺の数、太さ、原因菌の数に影響を受けるため、臭いの強さが人により強かったり、弱かったりします。

ここでは、ご自身や周りの方がワキガかどうかを判断する助け、 また、他の重要な疾患にかかっていないかなど確認できるよう、 ワキガの臭いと、その他の臭いについて紹介しています。

なぜワキガは人によって臭いが異なるのか?

なぜワキガは人によって臭いが異なるのか?
ワキガの原因はアポクリン腺から出る脂質やタンパク質を原因菌が分解することによって発生しますが、 ワキガ臭が人によって異なる理由のひとつはこのアポクリン腺から出る分泌物の種類が非常に多いためです。

アポクリン腺から出る分泌物は簡易的に脂質やタンパク質と記載されることが多いですが、 更に追記すると、ステロイド、糖質、アンモニア、ピルビン酸、リポフスチン、鉄分など数十種類以上にも及びます。
また、それぞれの物質をコリネバクテリウムなどの複数の原因菌が分解するため、臭いが多様になります。

その上、脇はアポクリン腺以外にエクリン腺と皮脂腺があります。 それぞれは本来無臭ではあるものの、食べ物や運動などによる影響を受け、皮脂腺はアポクリン腺と同様分解されると臭いの元になるため、 更に複雑な臭いとなり、ワキガは人によって異なる臭いとなります。

匂いとは本来、一つではない

人間は数種類の匂いを一度に嗅いでも、それを一つの匂いとして認識してしまいます。
例えば、コーヒーの匂い一つとっても、その香り成分は数十種類に及ぶものの、 人がコーヒーの香りを嗅ぐと、「コーヒーの匂い」として認識し、コーヒーの匂いを構成しているそれぞれの物質の匂いは認識できません。

ワキガの匂いも同様で、異なる種類の臭いが異なる分量で混ざった結果、ワキガは人によって異なる臭いを発するとされています。

ワキガの臭い

ワキガの臭いは人によって異なるだけでなく、人によっては日によって臭いが異なったり、 部位によって臭いが異なることもあります。
以下、ワキガ臭を表現する代表的な単語を紹介していきます。

鉛筆臭

ワキガの臭い 鉛筆臭
ワキガ臭を表現するときに最も多用される表現です。
単に「鉛筆の臭い」と言う場合や、鉛筆の中でも、「鉛筆の芯の臭い」、「鉛筆の削りカスの臭い」などとも表現されます。

特に臭いがきつい場合には「鉛筆の芯、削りカスを濃縮した臭い」などとも言われます。
この臭いに近しい表現では、「鉄系の臭い」、「使い古した10円玉の臭い」、「粘土が腐った臭い」などとも表現されます。

洗濯バサミ臭

ワキガの臭い 洗濯バサミ臭
ワキガを表現するときに、次によく用いられるが、この「洗濯バサミの臭い」です。
洗濯バサミ(プラスチック)を長期に屋外で使用すると、紫外線等により酸化し、臭いを発生するのですが、 この臭いとワキガの臭いが似ているため、このような表現が用いられます。

そのため、普段外に出しっぱなしの洗濯バサミを部屋の中に入れたりすると、突然ワキガになった、 などと勘違いすることもあります。

ネギ臭

ワキガの臭い ネギ臭
「ツン」とするネギの臭いです。
ツンとした特有の臭いと、人によっては鼻粘膜への刺激が強いため、 ネギや玉ねぎを刻んだ時に発生する「刻みネギ」、あるいは「刻み玉ねぎ」などとも表現されます。

また、ネギ臭はツンとした臭いだけでなく、腐敗臭が交じることもあり、 「腐ったネギ」、あるいは、「腐った玉ねぎ」、と表現されることもあります。
食べ物のネギそのものが体臭を発生しやすく、臭い残りもしやすいため、勘違いの場合もあります。

香辛料臭

ワキガの臭い 香辛料臭
大きくはクミンの臭いとお菓子のドンタコスの臭いに大別されるようです。
スパイシー系の臭いは人の差が大きく、どんより曇ったスパイスのような臭いだと悪臭とされますが、 人によってはよい匂いの人も多数います。

また、食べ物としての香辛料はワキガの臭いを助長する代表的な食べ物とされています。

お惣菜臭

ワキガの臭い お惣菜臭
シュウマイ、お肉、蒸したお肉、などと言われます。
これら食べ物の臭いに近しいものに、悪臭の場合は「腐った油の臭い」とも言われます。

お惣菜系の臭いも多く、化粧品系マンダムの調査ではワキガの約3%がこのタイプに属するそうです。

生ごみ、腐敗臭

ワキガの臭い 生ごみ、腐敗臭
「生ゴミが腐ったような匂い」、「納豆臭」、「雑巾の臭い」、「うにの腐った臭い」などと言われます。
この表現はここまでに挙げた臭いから独立した異なる臭いではなく、上記の臭いを異なる語彙で表現した場合が多いようです。

ワキガ以外の臭い

体臭は人によって感じ方が異なるものの、不快感を与える体臭はワキガと勘違いされることも多々あります。
しかし、いくつかの体臭は悪臭ではあるものの、ワキガでなかったり、時にはワキガよりも重要な疾患であることも珍しくありません。 ここでは、臭いそのものに注目し、ワキガ以外の一般的な体臭について紹介していきます。

酸っぱい臭い

酸っぱい臭い
酸っぱい臭いの多くはエクリン腺から出る汗の臭いです。
もう少し具体的には、エクリン腺から出る汗を皮膚常駐菌(表皮ブドウ球菌など)が分解した時に発する酢酸、乳酸エチル、イソ吉草酸、酪酸などの臭いです。

このうち、酢酸はアポクリン腺から分泌されるプロピオン酸と臭いが似ていることから、 ワキガ臭と似ていると言われることもありますが、ワキガではありません。

また、いくつかの文献では酪酸はアポクリン腺とエクリン腺の両方の分泌物から作られるため、 もしかしたら、臭いの区別が付かないこともあるかもしれません。

その他、足の裏のような酸っぱい臭いにイソ吉草酸があります。
イソ吉草酸(3 -メチルブタン酸)が生じる原因はエクリン腺による汗と皮脂を栄養素として、 細菌が増殖した結果、イソ吉草酸を分泌します。
この細菌は高温多湿を好むことから、足だけでなく、 脇の下に汗をかきやすい人はこの臭いを発することもありますが、 この臭いもワキガとは全く関係ありません。

このように、エクリン腺から出るこれらの汗と皮膚の細菌活動で酸っぱい臭いが発生しますが、 酸っぱい臭いは基本的にワキガではありません。

アンモニア臭

アンモニア臭
アンモニア臭も基本的にはエクリン腺の汗の臭いです。
人は腸や肝臓でアンモニアを処理しますが、この腸や肝臓が弱ると全身、または、汗腺からアンモニア臭がすることがあります。
理由は弱った腸や肝臓がアンモニアを処理できず、 血中にアンモニアがいつまでも残り、それが血液を通じて汗として排出されるからです。

また、運動によって血中のアンモニアと乳酸濃度が上昇します。
これら、乳酸とアンモニアは汗を通じて排出されるとともに、 エクリン腺の汗は皮膚細菌によって尿素を作り出すこともオランダの研究論文などで発表されています。

これらアンモニア臭は、食事の見直しや腸内環境の正常化、便秘の改善などで臭いはなくなっていきます。
そのため、アンモニア臭はワキガと間違われることも多いようですが、ワキガ臭ではありません。

便の臭い

便の臭い
便臭あるいは腐敗臭と言われる体臭は便秘によってもたらされます。
理由は便秘になるとウエルシュ菌と言われる悪玉菌が増加し、大腸内にインドールやスカトールなどのガスが発生し、その臭いが血液へと遷移し、最終的には呼気や汗を通じて体の外に出るため便独特の臭いを発するからです。

呼気以外にも体臭、特に汗を通じて臭いを発するため、ワキガと間違えられることもありますが、 腸内に善玉菌が増え、便秘が治ると自然と臭いはなくなります。

加齢臭

加齢臭
加齢臭は「酸っぱい油の臭い」「古くなった油の臭い」「おやじの枕の臭い」「お線香の臭い」「腐った魚の臭い」などと表現されます。
加齢臭の原因は、ワキガと非常によく似ており、皮脂とそれを分解する常駐菌によってもたらされます。
具体的には、皮脂に含まれるヘキサデセン酸(脂肪酸の一種)が分解され、ノネナールを発生させます。

女性は年齢とともに皮脂量が減ることから、加齢臭人口は男性と比較すると少ないようです。
女性ホルモンが皮脂の分泌を抑える働きを持っているため、 ホルモンバランスが正常な場合、皮脂が過剰に出ることがありません。
皮脂量の減少させるには、食事や生活の見直し、ストレスの排除等が有効です。
また、常駐菌の殺菌、減菌にはワキガと同様の製品の使用で臭いを抑えることができます。

獣臭

獣臭
犬、野生の動物、マトンなど、動物やお肉の臭いで表現されます。
獣臭の原因は肉食、特に赤身のお肉の高タンパク質が原因です。

ある実験において、2週間赤身のお肉を食べ続けた結果、不快な臭いを発することが確認されました。
原因は、お肉は消化するのに長い時間を必要とするため、消化の間に腸内の細菌が分解過程で悪臭を生じ、 汗や排便、呼吸、皮脂から余分な油やタンパク質を放出し、体臭がきつくなり、 それは肉食を中心とする野生動物と同じ臭いとなるからです。

お肉以外にトレーニングなどで利用するプロテインなどの過剰摂取も同様の臭いになることがあるようです。
また、お肉や他のタンパク質を消化する力が弱いことから、肝臓、腸などの病気、便秘の可能性もあります。
この臭いは肉食、とくに赤身のお肉を取り過ぎず、バランスの良い食事に変えることで抑えることができます。

魚の臭い

魚の臭い
魚の臭いはトリメチルアミン尿症という病気が原因です。
トリメチルアミン尿は腐敗した魚の臭いがするため、別名、魚臭症、魚臭症候群とも呼ばれます。
臭いの原因は摂取した食物を体内で消化分解した際に発生したトリメチルアミンが分解されず、 汗や尿、呼気の中に排出されてしまうため起こります。

魚以外にも、生臭い臭い、便臭、生ゴミの臭い、下水道の臭いなどと表現されることもあります。
汗のほか、尿、生殖体液、息から同様の臭いを放ちます。
治療法はまだなく、食事やカウンセリングなどを通じた自己管理で臭いを抑えることができます。

甘酸っぱい臭い

甘酸っぱい臭い
甘酸っぱい臭いは糖尿病など病気の可能性以外では、ダイエットや高脂肪食品の取り過ぎが原因です。
ダイエット、特に炭水化物や糖質を抜くと、代謝エネルギーの糖分が使えないため、 代わりに脂肪酸を分解したケトン体という物質を利用しようとします。

このケトン体が増加すると、尿、口臭、汗から体臭として甘酸っぱい臭いを放つようになります。
また、ダイエットや高脂肪食品の取り過ぎ以外に、激しい運動で糖分が不足しても起こることがあります。

この甘酸っぱい臭いは、糖分を取る、高脂肪食品の摂取を控える、スポーツドリンクを飲むなどで、解消できます。

ピーナツ、チョコレート、スパイス、玉ねぎなどの食べ物臭

甘酸っぱい臭い
食事の臭いが1日以上取れないことも珍しくありません。
例えば、生の玉ねぎ、クミン、ニンニクなどの食品は、胃や腸ではなく、肺から臭いを発します。
それは、単に口臭となるだけでなく、肺への血流への流れ、体臭となります。

また、ナッツもお肉同様消化されにくい食べ物であることから、 ナッツの取り過ぎによる体臭はナッツ臭と呼ばれたり、
マグネシウムが欠乏すると、チョコレート臭がするこもありますが、 これらは食べ物による一時的な体臭で、原因のなる食べ物を控えると数日で改善し、 ワキガ臭ではありません。。


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