ワキガ対策【一般・市販品】

アポクリン腺とワキガの関係

アポクリン腺とワキガの関係とは

アポクリン腺とワキガの関係
ワキガの原因はアポクリン腺から出る汗と、その汗を食べる原因菌です。

そのため、ワキガ対策のいくつかの製品は、 このアポクリン腺から出る汗を減らすことにより、ワキガ臭を軽減する方法が取られています。

ここではワキガの原因となるアポクリン腺から出る汗について、 役割や活動時期、存在する位置といった基本的な事柄と、 アポクリン腺とワキガとの関係について紹介しています。

アポクリン腺の基礎知識

アポクリン腺の役割は既になくなっている

アポクリン腺の役割は既になくなっている
かつてのアポクリン腺の主な役割はフェロモンの放出でした。
昆虫や動物同様、人間もアポクリン腺から出すフェロモン臭が、 原始的生活において異性との交友や縄張りといった自己の主張に重要な役割を果たしていました。

しかし、人類の進化の過程において、その役割は既に失わています。
学者によっては若干ながら体温調節機能があると主張する方もおられますが、 現在では出る汗の分泌物を見ても、その役割を果たしているとは言えなくなっています。

第二次性徴期(思春期)以降に活動を開始し、更年期に停止

第二次性徴期(思春期)以降に活動を開始し、更年期に停止
アポクリン腺そのものは赤ちゃんの時から存在するものの、 その活動は第二次性徴期(人間が性的に成長する時期:13歳ごろが一般的)まで停止しています。

第二次性徴期特有の人間の体の変化には、脇毛や陰毛の発生、女性の胸の膨らみなどがありますが、 アポクリン腺の活動もその一つです。

第二次性徴期になると、それまで小さかったアポクリン腺のサイズが増大し、活動を開始します。また、更年期(50歳前後)にはその活動を停止させます。

汗の成分は脂質とタンパク質など

汗の成分は脂質とタンパク質など
アポクリン腺が出す汗は粘性のある不透明(白濁色)な汗です。
これは水分以外に、脂質、タンパク質が大量に含まれるためです。
また、脂質、タンパク質以外にも糖質、中性脂肪、アンモニアなどワキガの臭いをより複雑にする臭いの元になる成分も含まれています。

存在位置は毛の多い部分

存在位置
アポクリン腺の存在位置は人間の進化において退化せず残った毛の多い部分に集中しています。
具体的には以下の場所に存在します。

その中でも特に脇に多く存在し、その臭いが強烈なことから、 ワキガという呼称が一般化しています。
見方を変えると下記部位にはアポクリン腺が存在することから、 おのおのの部位からワキガ臭を放つことがあります。
  • 肛門周辺
  • 性器周辺
  • 乳輪周辺
  • 外耳道、内耳道
  • 頭部
  • まぶた

アポクリン腺の汗が出るのは感情の影響

汗が出る仕組み
アポクリン腺は感情の影響を受けます。
具体的には体が不安、緊張、ストレスを感じるときに筋肉が収縮し、 内部に蓄えられた脂質やタンパク質が皮膚表面に押し出されます。
それが粘性の汗となり皮膚表面に現れます。

リラックスしている時と比較すると、不安や緊張といったストレスがアポクリン腺の汗の量と臭いに影響を与える、 という研究成果も多く見られることから、これらがアポクリン腺の汗を出す原因となっているようです。

アポクリン腺の数

アポクリン腺の数
アポクリン腺は脇毛一本(厳密には毛穴1つ)に対して一つ存在します。
そのため、脇毛の多い人は、アポクリン腺が多く存在し、ワキガの臭いもより強くなる傾向にあります。

また、アポクリン腺の数は、遺伝形質によって生まれた時から決定されているため、 その後の発育環境やその他要因でアポクリン腺の数が変わることはありません。

アポクリン腺とワキガ

臭いの仕組み

臭いの仕組み
アポクリン腺から出た脂質やタンパク質といった分泌物も、分泌された当初は無臭です。
皮膚の常駐菌や空気中に含まれるバクテリアがアポクリン腺から出る分泌物を分解することで、ワキガ特有の臭いが発生します。

特に常駐菌の中でも脇の下の一般的な常駐菌であるコリネバクテリウム(左図はコリネバクテリウムの1種)が脂質やタンパク質を分解した時に放つ揮発性の脂肪酸がワキガ特有の強い臭いを放つ原因と考えられています。

臭いの成分

臭いの成分
ワキガの臭いそのものは、ワキガの原因菌(コリネバクテリウムなど)が出す分泌物の臭いですが、 その原因菌が食べる栄養素はアポクリン腺から分泌される脂質やタンパク質です。

具体的には、 脂質は主に揮発性脂肪酸、タンパク質はシアロムチンなどがワキガの原因と考えられています。
また、アメリカ化学学会の会議で報告された内容では、アポクリン腺から分泌する汗には、 トランス-3 - メチル-2 - ヘキセン酸(TMHA)が含まれており、 この脂肪酸とカプリル酸などの脂肪酸がタンパク質と結合したリポタンパクがワキガの臭いの原因の一つであるともされています。


アポクリン腺とワキガの関係 
先頭へ
<< ワキガ対策【一般・市販品】
エクリン腺とワキガの関係 >>
メニュー・目次へ


このエントリーをはてなブックマークに追加